秋まち
さりげなさが特徴のあなたは
木のかべのなかにとけてしまってよくわからない
もう鼻先まで来てる秋のために
あたらしい呼吸法をみつけなければいけない
キンモクセイは危険だから 避けなくちゃ
台風がゆくのを ほおづえついてみてた
コーヒーにできたうずのほうが 重大な気がした
はさみで波のようにうねうね切った紙は
じつは大事な書類で とほうにくれた
わたしはこのふゆのために手袋を編むことを決断して
「木綿のハンカチーフ」をうたって泣いた
トイレの中でたちくらんでよろけたとき
あなたに似た妖精が 足もとにいたような
鉛筆けずりをひたすらに回して
いろんな色の粉がでてくるのをたのしんでいる
あそぶよていのないよてい表に
コーヒーで しみをつけてみる
秋がくるのね。
くるのね。
わたしは目をふせて
地球のほんとのはしっこで じっとまっている。