Journey song

 

 

 

 「ようこそ 誰かの あいのことばで」

 うたう おじさん  うたう おばさん

  あなたをトリコに トリコロールに

  スクラップ 格好をつけて 何もない 何にもね

 ぼくのベランダの哀愁をつなぐチェーン

 ことばのリズムをみだす のは 柔い粘土

 アジアのすみっこでないているのは コイビト

 かくかくしかじかの事情で旅立って

   あぁ もう 今世紀 には 帰ってこられない

  あぁ そう この世紀 に 飽きてしまって

 お馬にのり 雪の町 本棚の奥の ガラスばり夕暮れ

  グラデーションのペンキ いろどる エプロン&ジーンズ

 階段の一段一段にも名前があって

  手すりに は 深くて明るい うそ宝石

 いつもそっちからは ぼくの 何がみえるの

雲につきささる 金魚草の 様 が

  まるで 大きな うかぶ  水槽

 泳ぐように おいかけて

  ふりはらっては 雨の森

 

  あなたによく似た 瞳の 猫が

   あなたによく似た あくび の あと

    しずかに どこかに

   だから ゆうべは お月様も

    所在なさげに キドウをはずして

    遠くへ 旅に 出たのです。