お別れすいか

 

 

なんでもないよ ところがってゆくあなたが

ともかくも 青くて硬いイスにすわって

わたしの さいごのことばを まっている

 

そうでもないよ レタスのようなスカートの

かなしげな 強くて平たいししゃも足は

わたしの なげやりな態度に よわっている

 

たばこの灰が おちて

しびれるような あおいひとみで

流線型の 焦点があったとき

なにかは ばりばりと おわってしまった

 

あなたが 知っていたなら

わたしに なんて 言ってくれた?

 

 

うそぶいてるよ 細かくなってゆくあなたが

やがては 青い星のシミの1つになって

わたしの さいごのことばを きいている

 

そうじゃないよ 今度みるときはネクタイの

しめかたを もっと工夫してもらいたいけれど

あなたの 弱虫なところは うけている

 

みどりのお皿が われて

かめれおんと にじのかがやきで

キューブ型の 特徴がわかったとき

どこかに ぽろぽろと おとしてしまった

 

あなたが 見ていたなら

わたし は なにか できたかな?

 

できた?

 

わたしは サーブを はたきおとすように

あなたを もう あきらめました

あなたは いま 過去へゆく真白なバスにのって

ちりりんと 発車のベルが なったよ