アイスクリーム

 

 

よろこんで 悲しみを肩代わりするひと

ぼくの分は  ぼくの分は

 

ゆうえんち色の 服を着た あかりさんは

ときどき老けこんで 笛をふいてる

 

おもいでは きのう はーとに やきついて

あしたから そのひとは ゆるい りんごになる。

 

 

まちわびて コーヒーをのぞきこむひと

ほんとうのこと の ほんとうのとこ

 

鈍いずつう持ちの 雨ふりの キンヨウビは

あわただしいまいにっちには ついてゆけない

 

ひとりでしか みれない たくさんのマルが あって

ふたりでしか たべれない おいしい空白が あります。

 

 

はじっこで メニューに彩色していくひと

ほころんでるのん ラズベリーソーダ

 

夕暮れまで 眠り続ける わたしのそばで

あかりさんのアイスクリーム とけていく

 

まるまった しっぽ みたいな おかしい 10月

きんいろの せなか みたいな さみしい 11月

 

焼きりんごにそえられた とろけたアイスクリームは きっとハッピー。 ハッピー。